プラスチックと木のおもちゃ - どちらがいいの?
木のおもちゃはより教育的?
この点については長年、活発な議論が繰り広げられてきました。一方は、木でできたおもちゃは子どもたちによってより教育的であると主張します。型にはまらないほうが想像力をよりかきたてるというのがその理由です。もう一方は、材料だけでおもちゃが自動的に教育的になるわけではないと主張します。緑色を含んでいれば食品はより健康であるというようなものです。では緑色のグミ、緑色のキャンディ、緑色のM&M。これらは健康的?
わたしたちは後者の意見に賛成です。クアドロで働く社員の多くはレゴ(LEGO)で遊んで育った世代です。レゴはプラスティックでできています。それでも、レゴほど多くの子どもたちの想像力を伸ばしてきたおもちゃはないと、誰もが認めるのではないでしょうか。そうです、大事なのは材料ではなくそれがどう機能するかです。
組み立てるおもちゃは、材料がプラスチックであれ木であれ、もっとも教育的で創造的な学びの場を提供します。その益は生涯にわたります。性別や年齢を問わず、想像力が続く限り無限の遊びの場を提供します。クアドロも例外ではありません。それが、創造力と問題を解決する力に無限の可能性を秘めたジャイアント組立てキットなのです。そしてそれはプラスチック製品の進歩によって可能となります。
木のおもちゃはより安全?
木は通常、子どもたちのおもちゃとして「自然な選択」であると考えられています。しかし、木のおもちゃはどれも同じ方法で作られているわけではないので、一概にいうことはできません。
おもちゃ製造会社は、お父さんお母さんたちに、彼らが買うのは自然のおもちゃであると信じさせるようなよくできたマーケティングを使います。「このおもちゃは木でできています」とか「自然の木からできています」とパッケージに書いてあるかもしれません。そして木の絵を使ったり、エコフレンドリーに見える段ボール箱に入っているかもしれません。このような宣伝は、その商品は「自然のおもちゃ」であるとの印象を与えます。
パーティクルボード、ベニヤ合板、MDF(中密度繊維板)ではなく、無垢木材で作られたおもちゃを探してみてください。パーティクルボードなどは安価な材料ですが、製造過程で毒性のある糊を使用しています。このタイプの糊は、ホルムアルデヒドという揮発性有機化合物(VOC)を含んでいます。ホルムアルデヒドはオフガス、つまり蒸気として放出され、白血病やガンを含む様々な健康被害との関連が指摘されています。
最も安価な木のおもちゃは、品質管理や品質規制が緩やかな中国や環太平洋の国々で大量生産されています。最も信頼があり評判のある米国のおもちゃ会社でさえ、販売した木のおもちゃに使用された薬品の毒性レベルが規定を超えていたため、大量のリコールに見舞われました。
木は見た目がよく長持ちするかもしれませんが、こどもたちにとってより安全であると必然的に言えるわけではありません。ご家族を守るために、より厳しい規制が運用されている米国やヨーロッパで製造されたおもちゃにこだわりましょう。おもちゃのリコール情報については経済産業省の製品安全ガイド/リコール情報を参照してください(http://www.meti.go.jp/product_safety/recall/baby.html)。
屋外用の木造遊具についても同じことが言えます。1930年より、米国における屋外の木製構造物は(デッキやピクニック用テーブルを含む)、耐候性を持たせるためにヒ素系化合物により加圧処理されていました。アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)によると、これらの木材は、それで遊んだりその上で飲食するこどもたちのがんリスクを増加させることがわかりました。厳しい規制のおかげで、この木材の国内での製造は2004年に中止されました。しかし、それより前に製造されたこの木材の多くは米国国内でいまだに使用されています。
プラスチックは耐久性があり軽く、クアドロ製品の材料として最適です。わたしたちは部品を有害薬品で処理することはありません。安全は利益より常に優先すると信じています。そして遊ぶ時間はこども時代の快い思い出であるべきです。
まとめ
こどもたちのおもちゃを買うときには、よい判断力をはたらかせる必要があります。何かが木でできているからといって、それが自動的により教育的で安全であるということはできません。製造者のウェブサイトを見て、使用されている材料の安全性や環境への影響をチェックしましょう。もしこどもたちがそのおもちゃで遊んで安全であると確信できないならば、購入する価値はないでしょう。
1. Yuntzu-Yen Chen A., Olsen T. Chromated copper arsenate–treated wood: a potential source of arsenic exposure and toxicity in dermatology. Int J Womens Dermatol. 2016 Mar; 2(1): 28–30. [Link]